母體の不思議もあるけれど 男體の不思議もある—— 寧ろ 男の人はお母さん 自分の子供を持つてゐるから 男の人はお母さん おなかの下に 蓄へてるよ たつぷりと 時々空にして 輕くなる 吸込んだのは 私です 子供が生れる 空氣に觸れて 死ぬ 空氣を吸つて 生きる その違ひは 大量《たくさん》の子供を抱へたまま 今日も男の人は 息子と握手する