私にもダイアモンドがあつた頃があつた 身にもつけず ろくに見もしなかつたけれど だからこそ賣つたのだ 二千圓で 成人祝ひなど要らぬのだ 私には高價《たか》すぎて 手も觸れられぬ ただの石ころ それよりか 今はあなたとハグしたい