あなたの體に土をかけるのがかはいさうだつた 門の裏は墓地になつた あなたの棒切れを見る度に、微かな痛みと肉しみを感じる 毛の生えた、まだふさふさな、黑と茶の、丸みを帶びた柔かな體に 生きてゐるのと變りない體に どうして君に土をかけられるだらうか しかし私は、彼らにさうさせた、 ただ生々しく、痛々しい、生《なま》の別れが恐かつた 生《なま》の埋葬恐かつた