立春 芽吹く時 同じ日には男に振られ また同じ日には髮の脂を撫でてゐる 寒く嬉しいこの季節 紅い椿を手向けませう それを祝ひにまた步く この暇《いとま》を
雪が降つたら尙嬉しい 手紙のための筆を取り 確かに春だと思ひ過ごす この和やかさよ