凡ての詩を停止して 私は詩を書きたい たださうする事が義務のやうな氣がして やるべき事のやうな氣がして それだけが私の生甲斐のやうな氣がして 昔の詩を讀み恥入る それだけが建設的な暇潰しのやうな氣がして 今は俗語を斷つてゐる、 何だかまともな文章《もの》を書きたくて、 自分の居場所に戾りたくて…… でも氣がつくと うるさいラジオをつけてゐる いつもの每日《いつも》
鳥が鳴いて 空は白い 詩人は何を語るかつて それすらも知らず 私は下手な字を追ふ ——それが義務な氣がして