丸つこい筆跡

鉛筆が減つてきた
僕の人生を綴る鉛筆が
出勤前の闇で縫ふ
カッターを引つ張り出す事も
厭ふこの間拔けさが
優秀な鉛筆削りは
寄附箱の中にあつて
屆かない
僕の人生の鉛筆削り
あるのかなあ

僕の人生をとがらせて

あゝ でも僕は

丸つこい
書慣れたやうな
强弱のあつて
あたゝかみのある
そんな筆跡になりたいのだ