水曜の寂しさ

蟲の聲をきく
扇風機の廻つてゐる音をきく
飛行機の音をきく
濡れた髮でブラウンの坐椅子に寄掛る

何だらうなあ
この寂しさは
音が無いせゐか
それともこれから仕事だからか
よく分らない

觸れる人の無いからか
馳せる重みが虛しいからか

すごく
たまらなく寂しい
時々吐き氣を覺えながら
私は立止る

逆に
仕事のある日でないならば
私は燈を消さうだなんて
思ひもしないだらうさ……