詩集の中身は全部きみの名前だよ

わあ、すてき
でもこれ、パブリック・ドメインだわ 誰にでも開かれてゐるんだわ!
君は、誰のものでもないからね
さう言へば濟むとでも?
これは私への贈り物なのでせう?
そして君を生み出した世界への讃美でもある
世界に君の美しさを傳へるのだ
まあすてき でもこれは私のもの
君のものですらない
どうして
君が君を作つたわけではないからさ
天然の產物
そして天然の產物は 誰のものでもない……
まるで賣られた氣分だわ ねえあなた
君の美しさを、誰もがこの手に取れるやうに
私が觸れて欲しいのは、あなただけ
獨り占めして、枯らしてしまふ、
私はあなたにだけ見せたかつた
僕は束縛したくなかつた、
私はあなたに縛られたかつた、
だのに、あなたは、私を見世物にするのね
そんなことはないさ
ぢやあ、もう、こんな戀文を曝すのはやめて、
私のあいを、聞入れて