からすみたいなさびしさをこのおれがひろつてあげてもいいぞ

ええつて
眼をきらきらさせちやふんです
胸をどきどきさせちやふんです
拾つて下さいと言はんばかりに舌を垂らす
えへへへへつて
下品な笑ひをしちやふんだ

歸りに見た屋根のてつぺん
からすがゐた
黑い鴉は
孤獨なやうでゐて
二羽でかはりばんこに
くちばしを首に突つ込んでゐた
ああ鴉でも群れるんだなあつて
思つたものだ
鴉だつて鳥なんだからさ
歸る巢もあり群れるんだ
だから鴉は 獨りぢやない
人間みたいに獨りになつて
隣の芝生きよこーを眺めない
他人から
與へてもらへるかもつて思はない
自然に 自然に
エゴだとか 依存だとか
考へながら
巢なんて作らないでしよ
鴉さんは

だから
獸が 一番
うらやましい