正直者

芥川龍之介文章と言葉と

芥川の著作について、私のした事は――少なくとも表現上は――正しかつたのだ、と思つた。私にも曖昧な書き方はできない。それは完全に噓だし、餘所行きの顏である。少なくとも、世話になつた人間にする態度ではない――だと思つたから、私は正直に書いたのだ。それを包み隱して書くべきと言ふなら、私には文才も無いし、人の心すら無いのだらう。それでいい。あなたが附合つてゐたのは、そんな人間なのだから。ここで今露見して、あなたもほつとしてゐるだらう?