つもり

皆が弘吿を貼つたり、流行りの文を量產したり、好きな事とは何ら關係の無い事で生計を立てようとしてゐる――いや、好きな事で生計を立ててゐるつもりになつてゐる。こんな哀しい事があるだらうか? 滑稽だ。一々顧客がゐるかどうか氣にするなんて馬鹿げてゐるし、何より面倒だ。自由に振舞へるから、好きなんぢやないか、自然そのものではないか。價値あるものを提供してゐるといふ幻想がある。寧ろ書く事の效用なんて、價値あるものを提供してゐる信じる事にあるんぢやないか。實際に價値があるかどうかなんて、他人が見定める事だし、作り手には價値あるものを出したといふ滿足感しかなく、その確信自體が、創造の報酬なのだ。