かつ

書留められる悅びを
呼止められる悅びを
知つて尙
それ以上求むるのは
罪ですか
そんなやうな氣がしてならないのです
ぼくは
多くを望むぼくが惡く、
飽足らないぼくが惡く、
貪欲な、愛を知つてさへ、與へられてさへ、滿足できないぼくが、尙ほしいほしいとねだるぼくが、
憎くてみつともなくてたまらないのです
それでも赦してくれますかと、
誰かに、ぼくを迎へてくれる誰かに、たてつくしかないのです、ぼくは
それが苦しくてたまりません
もつと求めるぼくが苦しくてたまりません
恰好惡く、みつともなくてたまりません
これでいいと言續けてくれる誰かを 求めてゐる
あるいはそんな人もゐるかもしれません
でもぼくは……
そんな人までも望んでゐないことを望んでゐるやうな氣がして
わかりません
わかりませんから、わかりません
このまま一生 不滿足かと思ふとこはくて
そしてみだらで
厭になるんです
でも自分では止められなくて 決して認められなくて
つらいんです
どうしたら止められますかと言つて
ずつと本を讀續けるんです
そこであなたは言ふんです
それが人といふものだからみな一緖だから構ふことなどないよ
それさへも本氣にしてよいかどうかもわからずに
今日もまた生きていくんです……

ぼくはこのままでいいですか?
愛してもいいのですか?
捨去つても、いいのですか?
わかりません、
わかりません……

鋼色のこころと
なまり色のこころと
なにが違ふのですか?
敎へてください
――ぼくは學ばないだらうけど