ああ また消しちやつて
せめて見せてくれたら良いのにと、
きみの作品だから
きみの作品好きだから
きみの作品きれいだから
きみのその儚い瞳、切ないセピア、色遣ひと虛無感が好きだつた
だのに、
どうしてきみは消しただらう
どうしてきみは、
きみを消してしまつただらう
ただ面影だけが殘つてゐて
それがぼくに惜しみを與へる
いつそ 總て 形跡すら消し去つてくれたらいいのに
きみの作品は好きだつた
きみのことは好きだつた
また創ることがあつても
せめて、消さないでくれよ、なあ……