僕は齡七にして 緣を切る事に決めた
恩 そもそも恩が何たるかといふ事から
問ひたいくらゐだ
君たちが何をしたか
僕が何をしたか
大した事でないのだきつと
初めからつながりなどなく
ただ今は つながつてゐたと さう思つてゐただけなのだと
僕は
何にでもできるのだと
どうにでもできるのだと
僕は
僕は
僕は、僕を視る事しかできないのだから
いい子と呼ばれた僕は、おしまひ
もうさう呼ぶ人のないところへ 行くのだから
大した勞でもなかつた
大した情でもなかつた
大した何でもなかつた
受容れてゐるわけでも
耐へてゐるわけでも
どんな感覺でもなかつた
何をしてゐるといふ感覺でもなかつた
ただ僕が存在してゐるといふ事ただそれだけ
だから何も變らないのだ
何一つとて……