葬式たはむれ

死後の世界など分らなくて
辛くていつも死んでゐる
死んだら私はどうなるか
そればかり氣にしてゐる
葬式狀態 今 死ぬための準備をしてをりますの
いくらしたゝめてもあふれる言葉
最良の言葉など ありませんの

今爪を立てゝ
殘る算段をしてゐる
永遠の命を得る算段を

あゝ 醜いか でも弱い私には止まらぬの

いつも死んだ後の事を考へてゐる
葬式狀態 今 死ぬための準備をしてをりますの

恰好の良さや
有益性を埋める事でいつぱいで
私は氣附かない
本質はどこにもなく
私はどこにもゐない
息吹をふさいで
一所懸命
こゝにとぢこめようとしてゐる
若い私の一生を

好きな人に抱かれながら
眠るやうに死にたい

それもかなはない
孤獨の時間の方が長いから
耐へられない

私の中に咲く
小さなあなたと幸福よ
今咲亂れ
たをやかに私にしなだれかゝり
陽のあたゝかさのまゝ
私を食んでおくれよ